日々読チョイス

好きな本をメインに、ゲームアプリ、スイーツなど、オススメしたいものを紹介していきます。

ゲームという危うさ

子供は、大人が想像している以上に様々な情報に曝されている。それらを正しく使える頭や心が育つ前に。


今回紹介するのはこちらです。
『チョコレートゲーム』著:岡嶋二人


門中学校の生徒が殺された。その直前、被害者は二百万円もの大金をおろしていることが判明する。息子が容疑者とされた父親は、独自に事件について調べ始めるが、その矢先にさらなる殺人が起こる。
最近になって突如荒れ始めたクラス、万引き・引きこもり・暴行などの問題の中で、浮かび上がってきたチョコレートゲームとはいったい何なのか。


子供が毎日通っている中学校。そんな身近な場所で起きた事件。
子供が学校でどんな様子なのか、どんな友達がいるのか、何をして遊んでいるのか。何も知らなかった大人達が、事件をきっかけに子供達と向き合おうとしていきます。それぞれのやり方で。それぞれが良いと思う形で。
全国レベルの連続殺人や誘拐事件など、派手な事件ではありませんが、誰にでも起こりうる事件として、リアルな怖さがあります。また、息子の容疑を晴らそうと、父親が事件を調べていくのですが、不器用で上手くない、でも一生懸命で必死さが伝わってくるのがまたこれもリアル。
推理小説という虚像と現実の狭間を、行き来しながら読んでほしい作品です。



【私の勝手なセールストーク
最近は、凶悪犯罪の低年齢化が顕著で、フィクションとは思えないところが本当に恐ろしいです。
物語の中で、キーワードとなってくるチョコレートゲーム。ゲームって楽しいんです。ゲームがゲームであるうちは。でも、ゲームにはまってしまうと、さらなる刺激を求め、ゲームでなくなってることにも気づかずにゲームを続けてしまう。大人だって制御できない人もいるのに、中学生ならなおさらです。
この、中学生というのが物語のポイント。ちょっと親との距離が空いてきて、でもコミュニティはまだ学校+αくらいの狭い範囲で。だからこういう事件が起きてしまうのかなと思いました。
あとやっぱり周りの大人の影響って大きい。大人は子供に、正しい生き方を見せて導いていってほしいなぁと。子供って意外としっかり見てるから。
岡嶋二人さんの作品は、様々な切り口から作られていて、斬新なものが多いです。あり得ないことも新しいものと楽しめる、遊び心のある人にオススメです。

チョコレートゲーム 新装版 (講談社文庫) [ 岡嶋 二人 ]

価格:726円
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感想(3件)


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