日々読チョイス

好きな本をメインに、ゲームアプリ、スイーツなど、オススメしたいものを紹介していきます。

こうして死は訪れる

自分の生きてきた時間を見てくれて、死ぬのを見届けてくれる存在があるなら、死ぬのも悪くない。


今回紹介するのはこちらです。
『死神の精度』著:伊坂幸太郎


タイトルの通り死神が登場します。死神とそのお仕事によって関わることになった人間達の短編集。

人が死ぬことになったとき、死神は調査を行う。死を実行するのに適しているかを判断し、報告をするのだ。報告が『可』であれば、その翌日に死が実行される。調査期間は1週間。対象に選ばれた人達は、どのような結末を迎えるのか。


死って、人間にとっては大きなことだけど、死神にとっては日常で、なんのことはない出来事。そんな人間と死神の認識の差がいい味出してます。なんといっても死神の設定がよい。いろんな部署がある、病死と自死は管轄外のように仕事上のことから、ミュージックが好き!など個人的なことまで。存在感があり、だからこそ引き込まれます。死神だから人が死ぬ話ばかりなのですが、人の生きてきた過程に想いをはせたくなる、なんだかいい後味の小説です。



【私の勝手なセールストーク
こんな死神がいるなら、会ってみたい。というか、死ぬのが怖くなくなるかもしれない。なんにせよ、見届けてくれる存在がいるっていいよね。
ミステリー要素あり、笑いあり涙あり、すごく面白いのに、フラットな感じですすんでいく物語。だからこっちも、クスクスしたり、えーって思ったりしながらも、読むスピードは一定(いつもは内容によって、読むスピード変わります)。これが伊坂ワールド(って勝手に思ってます)。はまったら抜け出せませんよ。
そういえば、この映画の宣伝で(映画は見ていないです。スミマセン。)上司は犬!?て言ってて、『え!犬だったの!?』て思った記憶があるわ。犬でも何でもいいけども。

人が死ぬ話とか怖い、やだ、って思う人も大丈夫。読んでみて。なんだか優しいから。死ぬんだけど。死ぬんだけど、悪くない。

こいつは『見送り』で、って言ってもらえるような人生を送ってやろう、という目標ができました。ありがとう死神。いつか会いに来てね死神。

死神の精度 (文春文庫) [ 伊坂 幸太郎 ]

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感想(309件)


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