プロフェッショナルの眼
普通の人にとっては何もないところから、確かなものを感じとる。それがプロフェッショナル。
今回紹介するのはこちらです。
『確証』著：今野敏
都内で強盗事件と窃盗事件が発生。無関係に思われる２つの事件だが、盗犯捜査のベテラン刑事は繋がりを感じとり、捜査をすすめる。プロだからこそ感じた違和感は、真実を示しているのか。
盗犯捜査一筋のベテランと、まだ若い部下、また取り扱う事件内容の異なる捜査一課。それぞれに見える事件現場は異なり、思い描く真実も異なる。そのなかでも盗犯捜査の経験から来るものの見方が興味深いです。
窃盗のプロと向き合い、理解してきたからこそ、見えないものを見ることができる。これがまさに盗犯捜査のプロ。プロフェッショナル同士の現場を通したやりとり、プライドをかけた仕事。プロの仕事が好きな方にオススメ。面白くないわけがない。
それとともに、登場人物の心の動きにも注目してほしい一冊です。
【私の勝手なセールストーク】
個人的な話で申し訳ないのですが、怪盗が好きです。小学生のときにアルセーヌ・ルパンを読んでから今に至るまで。実際の犯罪者は許しませんけど。職人っぽいところが好きなのです。プロフェッショナル好きだー。あと、誰も傷つけないところとか(悪いやつは傷ついてもよし)。
そんなところも、この本が私のツボに刺さりました。好きな小説に、泥棒でてくるの多いわ、そういえば。
窃盗のプロと捜査のプロ。犯罪者と警察官なのですが、なにかお互いに認めあっているというか、あるところで信じているというか。不思議な関係ですね。でもなんかわかる気がする。
警察内での対立も描かれていますが、これもプロとプロのプライドのぶつかりあいですよね。
今野さんの作品は、登場人物が魅力的なんですよ(もちろん内容も面白い！読後のいいもん読んだぁ感半端ない)。読んでいるうちに、いつの間にか存在感を持って動きだしてしまうイメージ。最初にはまったのは安積班シリーズ。ハンチョウ大好きです。ドラマも見てました。佐々木蔵之介さん最高です。
登場人物が魅力的で好きになってしまうので、シリーズは揃えたくなってしまう。続編を望んでしまう。罪な作家さんです。
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