日々読チョイス

好きな本をメインに、ゲームアプリ、スイーツなど、オススメしたいものを紹介していきます。

暗い部分に惹き付けられる

タブーだとされていることって、恐ろしいけれど、なんだか見てみたいような。


今回紹介するのはこちらです。
『GOTH』著:乙一


全部で6つの話からなっています。その全てに関わってくるのが、森野夜という少女と、僕という少年です。
文庫本だと、3話ずつ『夜の章』と『僕の章』の2冊に分かれています。副題の通り、森野夜がどんな子なのか、実体が徐々に解ってくるのが『夜の章』。その上で、僕がどんな子なのか解ってくるのが『僕の章』です。


森野と僕。2人には高校のクラスメイトという他に、もう1つ共通点がありました。
それは、死刑や拷問、残酷で悲惨な出来事など、人間の暗黒面に興味があること。
ある日、森野が連続殺人犯のものと思われる手帳を拾います。そこには殺人の記録が、事細かに書き込まれていました。まだ警察に発見されてない犠牲者の女性についても。
2人は「彼女」に会いに行くことに…。


様々な異常な事件が起き、2人は自ら関わりを持っていきます。ただ、よくあるミステリーと違い、事件が解決して犯人が逮捕されて、とはなりません。
2人は事件を解決したいわけではなく、見ていたいだけなのです。これが、ミステリーぽいけどミステリーじゃない??的な、個性ある作品にしていると思います。
また、森野の独特な(天然といってもよいかも)思考回路が、勘の鋭い僕との会話において、微妙なすれ違いを生むところも、この作品の押しポイントです。



【私の勝手なセールストーク
ライトノベルっぽいので、小説に抵抗がある人でも、すんなり読めると思います。
ややグロテスクな表現があるので、苦手な方は要注意。ただし、私も苦手な人なのですが、本作は大丈夫でした(若干痛みを感じましたが許容範囲)。

乙一さんの作品は、私の中ではモノクロームです。それも、グラデーションの少ない、ほとんど白と黒の世界。淡々と時が進んでいきます。
恐ろしくも惹かれてしまう、おそらく誰もが持っていて、でも表には出さないようにしている人間の暗黒面。
その存在を確かに感じ、覗き見ることができる作品です。

GOTH 夜の章 角川文庫 / 乙一 オツイチ 【文庫】

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GOTH 僕の章 角川文庫 / 乙一 オツイチ 【文庫】

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