日々読チョイス

好きな本をメインに、ゲームアプリ、スイーツなど、オススメしたいものを紹介していきます。

お父さんごっこ

この契約が、絆に変わって、いつまでも続くことを願う。


今回紹介するのはこちらです。
ステップファザー・ステップ』著:宮部みゆき


宮部さんの作品のなかで、ダントツに好きです。
ドラマにもなりましたね。連作短編です。

プロの泥棒が仕事中に、運悪く雷に打たれて落下。それを助けてくれたのは、双子の兄弟、直と哲。
2人は笑顔で良い子で、泥棒に自分達の面倒をみるよう脅迫します。
「僕ら二人くらい、面倒みられない?」
「またムショに入るの、イヤじゃない?」
かくして兄弟と『お父さん』、3人の生活が始まります。


とにかく3人の掛け合いが、軽快でユーモラス。双子の中学生に、翻弄される大人の姿に、ニヤニヤしちゃいます。
話はミステリー形式で、日常のちょっとした謎から、さらなる謎へと展開していきます。その結末に、泥棒&双子という特色が、上手くつながっていて、警察や探偵ものとは一味違う面白さです。
また、契約の手前、嫌々『お父さん』の役割をはたしていくのですが、交流がすすむにつれ、着実にステップファザーのステップを登っていってしまう。その様子がとても面白くて、なんだかホッコリ。
ハラハラドキドキしないミステリー、読んでみませんか?



【私の勝手なセールストーク
とにかく出てくるキャラクターが好きです。主役3人以外もよいのです。なんだか幸せ気分になるミステリーです。
余談ですが、ドラマでは上川隆也さんが『お父さん』を演じていて、ドンピシャだと思いました。

泥棒って悪いことなんですけど、この人はなんだか憎めない泥棒なんですよ。いや、悪いことなんですけどね。だからバチが当たって『お父さん』にされちゃったりするんですけどね(笑)。善人でも悪人でもない、絶妙な感じ。
絶妙といえば、双子が中学生っていう設定も絶妙です。小学生でも、高校生でも、この話は成り立たなかったんじゃないかなぁと思います。

宮部さんは、ホントに様々なトーンの小説を書く方だなと思います。宮部さんらしい、というのが、どういうものを示すのか、私はわかりません(笑)。それくらいバラエティーが豊富な気がします(まだ全作品読んでないので、間違ってるかもしれません)。
確信を持って言えるのは、これは面白いので読んでほしい、ということです。

ステップファザー・ステップ (講談社文庫) [ 宮部 みゆき ]

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感想(37件)


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