赤い瞳に映るもの
普通の人にはない特殊な力は、なんのために存在するのだろうか。
いつだったか、男性が好きな主人公にランクインしていたのが気になって、読んだ作品です。
幽霊がらみの話なら、斉藤八雲に相談してみるといい。そう勧められて、小沢晴香は八雲のいる映画同好会を訪れます。彼は死者の魂を見ることのできる力をもっていました。ただ、性格にちょっと問題があるようで…。
死者の魂が見えることで、明らかになる事件の存在、真相。本来なら自分と全然関係なく、知らなくてよかったことかもしれません。しかし、知ってしまった八雲と晴香は、事件を解決しようと奮闘します。その行動が犯人を刺激し、さらなる事件に巻き込まれたり、他の死者の魂に助けられたり…。生きている人間と死んでいる人間、それぞれの思いが2人に突きつけられます。
次々起こる新展開にハラハラドキドキ。
八雲の、晴香や周りの人々への不器用な対応に、ヤキモキホッコリ。
ミステリーとしてもヒューマンドラマとしても楽しめます。
【私の勝手なセールストーク】
とにかくはまってシリーズ全部読みました。登場人物も話も気に入って。なによりも良いと思ったのが、八雲が「死者の魂を見ることしかできない」ところです。
よく霊が見える系の話はありますが、多くは主人公が霊と戦って除霊したり封印したり、何かしら力を持っています。でも八雲は見えるだけ。会話できるだけ。八雲は、死んだ人間も生きている人間と同じように関わることができるという、普通(ではないけど)の人なんです。そこが物語をより面白くさせてると思います。
幽霊苦手な方も大丈夫です。霊的な描写もおどろおどろしくないですし、むしろ幽霊が怖くなくなるかもしれません。私はそうでした。
これを読んで、八雲の謎が知りたくなった方と、八雲の成長を見守りたい(笑)と思った方は、2巻を手にとってくださいね。
心霊探偵八雲1 赤い瞳は知っている (角川文庫) [ 神永 学 ] 価格:660円 |
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